2010年05月号 なぜ?山の切り株が腐らずに残っているの? Vol.07
木霊(こだま)

屋久島の 魅力に迫る! その7
『 なぜ? 山の切り株が腐らずに残っているの?』


その理由は、まず、屋久杉に含有される殺菌性のある豊富な「樹脂分」によるところが大きいのですが、屋久島山中に入ってみて気付くさらなる「要因」があります。
「切り株」や「風倒木」を「土埋木」と呼んでいますが、実際には土に埋もれているわけではなく、「苔埋木」と表現したほうがピッタリなほど、びっしりとコケに覆れた状態で存在します。


それらを製材してみると若干の腐りや、虫穴があったりするものの、山の中で数百年も眠っていたとは信じ難いほどの、強い香りと生気があることに驚かされます。
  私は、実はこの「苔」が「屋久杉」を守ってきたのだと信じています。
さて、「木を腐らせない要件」は酸素を寄せ付けないことです。最良の方法は「水の中に漬けておくこと」。
当社でも屋久杉丸太を保存するのに、水を張ったプールの中に沈ませています。
写真のように、「苔埋木」の苔は常に、水分で潤っており、触ってみると、幾種類もの苔に覆われていて、まるで毛足の長いフカフカのじゅうたんが敷きこんであるようです。
この状態は、プールの水の中に沈む丸太と同じ効果があります。
何百年もの間、腐らずに残っている屋久杉。その理由のひとつが、苔による「自然の保存器」を屋久島の森が提供していることにあるのです。





代表取締役 八田欣也




      

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