2011年08月号 Vol.22
木霊(こだま)

屋久島の 魅力に迫る! その22
屋久島の暮らし: エネルギー


「福島原発」から端を発し、いま、「将来のエネルギー政策」が国民的議論になってきています。
では、屋久島で使っている電気はどこから来るのでしょうか? なんとなく『「屋久島」に「原発」は似合わない。』・・それだけは言えますが・・

・・・面白いことが見えてきます。




環境負荷の少ない「水力発電」

屋久島で最も豊富な天然資源といえば水。屋久島の平地では年間降雨量は4000mm、山では7000~10000mmといった膨大な量の雨が降ります。
平地では全国平均の2.5倍、山では5~6倍の量です。しかも島のいたるところに滝があり、海岸から20㎞足らずの標高1500~2000m級の山から一気に駆け下りてくる水は、強大な自然エネルギーでもあるのです。

屋久島では、その自然循環型で再生可能なエネルギーを使って、水力で発電をしています。
今のような形で「水力発電」による電気を使うようになったのは1960年。「屋久島電工」という会社からの電力供給が始まりでした。この会社は1952年に、「炭化ケイ素の製造会社」としてスタート。製造過程で大量の電力を必要とするため自家用・水力発電所をつくっていまし た。

そして、島の要請により余剰電力を島内需要に向けて供給するようになったのです。現在では3つの水力発電所と水の少ない時期に供給できるよう1つの火力発電所を持っています。





日本で唯一の「発電・送配電分離」

最近、九州電力を含む全国10電力会社の「独占企業体質」が問題視され「発電・送電~配電分離…自由化問題」が浮上していますが、屋久島電工は、発電した電気を直接販売することなく、島内の農協を含む3つの協同組合と1企業(九州電力)を通じて配電する仕組みになっている、日本国内で唯一の特殊な例。おそらく全国で今後進むであろう自由化のモデルケースになっていくと思われます。



代表取締役 八田欣也




      


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