2012年12月号 Vol.31
木霊(こだま)

屋久島の 魅力に迫る! その31
-- 「 屋久杉の模様   虫穴 」 --




 今回は虫穴の話です。
直径1~5mm。当社ではこの虫穴に出会う確率が非常に高く、製材工場で挽く丸太のうち3本に1本くらいの割合でこの虫穴が出てきます。

虫穴

 毎年開かれる「屋久杉原木市」には様々な目的で全国から木材業者が集まってきますが、この虫穴、「突板(つきいた)」をとる目的の人からは最も敬遠されています。
突板業者は丸太から板を挽き、それを0.3~0.5mmほどの薄板にスライスして合板に貼ったもの(化粧合板:化粧べニア)を商品とする人たちですので、穴がブツブツ開いていたのでは商品にならないからです。
一方、私たちは屋久杉を製材した無垢のまま、テーブル天板や棚板、盆、小物などに使う目的ですので、お客様にも虫穴があっても気にせず買っていただいています。

 屋久杉を扱う現地の人が言うには、虫は立っている状態の屋久杉(立木)には入らず、倒れた、または伐採した次の日からこの虫が入ってくるとのことですので、立木伐採禁止になり、「土埋木」しか出てこない現在では、虫穴のない丸太を探すのはかなり難しくなってきています。

 私たちは「世界遺産の象徴」である貴重な屋久杉を余すことなく全て皆さんに使っていただきたいと思っています。
私自身、虫穴も「虫」がつくり出した「自然界のデザイン」ととらえ、この「面白い模様」を楽しんでいます。

虫穴


代表取締役 八田 欣也




      


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