屋久島の 魅力に迫る! その36 -- 「 屋久杉 : 年輪を数える 」 --
屋久杉の特徴は何と言っても「長寿」であることです。 本州の杉が大径木でも300~400年生、古くても500年に対し、屋久杉は 1000年~2000年超の長寿命。 屋久島全体が花崗岩でできており、樹木もその岩磐の上に立っていること。 『1ヵ月に35日雨が降る』と言われるほどの日本最大の降雨量は、表層土壌とともに栄養分を流してしまうといったこと。 屋久島は、樹木の成長にとっては極めて厳しい環境なのです。 年輪(1年間の成長幅 ) が細かく、木目が詰まっており、凝縮された樹脂分で、腐りにくく長寿命の樹木として屋久杉は生き残っているのです。
今回は、屋久杉の年輪を実際に測ってみました。 写真のように定規を当ててみると、1cm 成長するのに20年かかっているのが分かります。 つまり1年間の成長幅はたった0.5mm。 この木は、100年経っても5cm しか大きくならないことになります。
複雑な木目( 杢) がでているもう1つの写真。 この断面を測ったところ、11mm 厚の中に44本の年輪がありました。 これは1年換算だと0.25mm で、100年でたった2.5cm という計算になります。 勿論、この成長度については、陽の当たりにくい密林の中と、陽当たりの良い場所では大きな差が出ます。 また、同じ木でも、1000年もの長い間には周りの樹々が台風で倒れたり、人に伐採されたりといった諸条件により陽当りが変化し、それが年輪( 木目) に反映され、内地杉のように粗いところと細かいところが交互に現われたりすることもあります。 こうして「年輪」の中にもその木・固有の歴史が刻まれているということが分かります。
代表取締役 八田 欣也
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